できない子が輝くキャッチボール練習法(捕球編④)― 捕れない時に、次にやらせてはいけないこと : 上達を遠ざけてしまう3つの判断ミス ―

はじめに

練習しているのに、なぜか捕れなくなる時

捕球編①〜③では、

  • ボールが怖くなる理由
  • 距離を縮めることの大切さ
  • 声かけの考え方

についてお伝えしてきました。

ここまで読んでくださった方の多くが、
次にこんな疑問を持つと思います。

「少し捕れるようになってきた。
次は、何をさせればいいんだろう?」

実はこのタイミングで、
良かれと思ってやったことが、逆に上達を遠ざけてしまう
という場面が少なくありません。

今回は、
「何をさせるか」ではなく
「何を急がないか」

という視点で整理します。

やってはいけないこと①

捕れないのに、距離をまた離してしまう

少し捕れる場面が出てくると、

  • 元の距離に戻したくなる
  • 「次の段階に進めそうだ」と感じる

これは、とても自然な感覚です。

ただ、捕球がまだ不安定な段階では、
距離を戻すことはステップアップとは限りません。

距離を離すことで、

  • ボールが急に速く感じる
  • 怖さが戻る
  • 捕れる確率が一気に下がる

結果として、
せっかくつかみかけた「できそう」という感覚が崩れてしまう
ことがあります。

距離は、
上達のごほうびではなく「条件」。

安定するまでは、
戻さない判断も大切です。

やってはいけないこと②

捕れる前に、フォームを直そうとする

捕れない様子を見ていると、

  • グローブの向き
  • 体の正面
  • 捕り方

が、どうしても気になってしまいます。

ですがこの段階で多いのは、
フォームの問題ではなく、まだ怖さが残っている状態です。

怖さが残っていると、

  • 正しい形を作ろうとしても体が動かない
  • 言われたことを再現できない
  • 失敗が続きやすい

つまり、
捕れる経験が足りない段階で形を直そうとしても、うまくいきにくい
のです。

この時期に大切なのは、

  • 捕れた
  • 当たった
  • ちゃんと見られた

という、小さな成功体験の積み重ねです。

やってはいけないこと③

同じ学年くらいの子にキャッチボールを任せてしまう

指導者の人数が限られているチームでは、

  • 同じ学年くらいの子と組ませる
  • 子ども同士に任せる

という対応は、現場ではよく見られます。

同じ学年の子も、
「ゆっくり投げよう」「近くで投げよう」と
配慮しようとする気持ちは持っています。

ただ、多くの場合、

  • 思ったところに投げられない
  • 強さを一定にできない
  • 同じことを繰り返せない

という段階にいます。

その結果、

  • 怖さが下がらない
  • 捕球が安定しない

キャッチボールになりがちです。

さらに、まじめで優しい子ほど、

  • 相手に合わせ続ける
  • 自分の練習が止まる

という状態になり、
相手をする子の方が我慢する時間が長くなる
ということも起こります。

これは誰かが悪いのではなく、
役割として無理があるというだけの話です。

本来、必要なのは「段階を管理する人」

捕球がまだ不安定な時期に必要なのは、

  • 距離を調整する
  • 投げ方を変える
  • 一度止める判断をする

といった、その場での調整役です。

これは、

  • 年齢
  • 学年
  • 経験

で一律に決められるものではありません。

だからこそ、

  • コーチが直接見る
  • 難しければ、高学年をローテーションで補助に入れる
  • 特定の子に固定して任せない

といった、
大人が全体を管理する形が必要になります。

※ローテーションの組み方に明確な正解はありません。
人数や経験、チーム状況に応じて判断するしかありません。

まとめ

捕れない子が上達するかどうかは

「何をさせるか」より「何を急がないか」

捕球が不安定な時期に、

  • 距離を戻さない
  • 捕球フォーム修正を急がない
  • 子ども同士に任せきらない

この3つを外さないだけで、
遠回りは確実に減ります。

捕れない子は、
遅れているのではありません。

違う段階にいるだけです。

次回予告

次回は、

捕れない子が

「次の段階に進めるサイン」

について整理します。

  • いつ距離を戻していいのか
  • いつ練習を変えていいのか

判断の目安をお伝えします。

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