はじめに
練習しているのに、なぜか捕れなくなる時
捕球編①〜③では、
- ボールが怖くなる理由
- 距離を縮めることの大切さ
- 声かけの考え方
についてお伝えしてきました。
ここまで読んでくださった方の多くが、
次にこんな疑問を持つと思います。
「少し捕れるようになってきた。
次は、何をさせればいいんだろう?」
実はこのタイミングで、
良かれと思ってやったことが、逆に上達を遠ざけてしまう
という場面が少なくありません。
今回は、
「何をさせるか」ではなく
「何を急がないか」
という視点で整理します。
やってはいけないこと①
捕れないのに、距離をまた離してしまう
少し捕れる場面が出てくると、
- 元の距離に戻したくなる
- 「次の段階に進めそうだ」と感じる
これは、とても自然な感覚です。
ただ、捕球がまだ不安定な段階では、
距離を戻すことはステップアップとは限りません。
距離を離すことで、
- ボールが急に速く感じる
- 怖さが戻る
- 捕れる確率が一気に下がる
結果として、
せっかくつかみかけた「できそう」という感覚が崩れてしまう
ことがあります。
距離は、
上達のごほうびではなく「条件」。
安定するまでは、
戻さない判断も大切です。
やってはいけないこと②
捕れる前に、フォームを直そうとする
捕れない様子を見ていると、
- グローブの向き
- 体の正面
- 捕り方
が、どうしても気になってしまいます。
ですがこの段階で多いのは、
フォームの問題ではなく、まだ怖さが残っている状態です。
怖さが残っていると、
- 正しい形を作ろうとしても体が動かない
- 言われたことを再現できない
- 失敗が続きやすい
つまり、
捕れる経験が足りない段階で形を直そうとしても、うまくいきにくい
のです。
この時期に大切なのは、
- 捕れた
- 当たった
- ちゃんと見られた
という、小さな成功体験の積み重ねです。
やってはいけないこと③
同じ学年くらいの子にキャッチボールを任せてしまう
指導者の人数が限られているチームでは、
- 同じ学年くらいの子と組ませる
- 子ども同士に任せる
という対応は、現場ではよく見られます。
同じ学年の子も、
「ゆっくり投げよう」「近くで投げよう」と
配慮しようとする気持ちは持っています。
ただ、多くの場合、
- 思ったところに投げられない
- 強さを一定にできない
- 同じことを繰り返せない
という段階にいます。
その結果、
- 怖さが下がらない
- 捕球が安定しない
キャッチボールになりがちです。
さらに、まじめで優しい子ほど、
- 相手に合わせ続ける
- 自分の練習が止まる
という状態になり、
相手をする子の方が我慢する時間が長くなる
ということも起こります。
これは誰かが悪いのではなく、
役割として無理があるというだけの話です。
本来、必要なのは「段階を管理する人」
捕球がまだ不安定な時期に必要なのは、
- 距離を調整する
- 投げ方を変える
- 一度止める判断をする
といった、その場での調整役です。
これは、
- 年齢
- 学年
- 経験
で一律に決められるものではありません。
だからこそ、
- コーチが直接見る
- 難しければ、高学年をローテーションで補助に入れる
- 特定の子に固定して任せない
といった、
大人が全体を管理する形が必要になります。
※ローテーションの組み方に明確な正解はありません。
人数や経験、チーム状況に応じて判断するしかありません。
まとめ
捕れない子が上達するかどうかは
「何をさせるか」より「何を急がないか」
捕球が不安定な時期に、
- 距離を戻さない
- 捕球フォーム修正を急がない
- 子ども同士に任せきらない
この3つを外さないだけで、
遠回りは確実に減ります。
捕れない子は、
遅れているのではありません。
違う段階にいるだけです。
次回予告
次回は、
捕れない子が
「次の段階に進めるサイン」
について整理します。
- いつ距離を戻していいのか
- いつ練習を変えていいのか
判断の目安をお伝えします。
